心の綾

過日私は良い事をした
それはさながら漫画かドラマのワンシーンのようであって、

行為自体の素晴らしさ、正当性は、歴史的にも通俗観念的にも

保証されているといってもよい程である
だが私はその出来事に関し、未だに割り切れない想いを持ち続けているのである

ことの顛末はこうだ
1.出勤のためいつもの府中駅の改札をぼんやりとくぐろうとしていた私

2.前方から、幼稚園帰りっぽい感じの母娘連れが登場
3.手をつなぎ片手に風船などを持ち、微笑ましい限り
4.ところが、母娘が改札を出た瞬間、事件が
5.風船が娘さんの手から離れ、天井にぶつかり止まる
6.呆気にとられた二人が何故かこちらを見る
7.泣き出さんばかりの娘さん

、、箇条書きにした意味が全く分からないが、ここからが私の出番である

8.お母さんと私、顔を見合わせる
9.「ジャンプでいくから」とアイコンタクトをする私とお母さん
10.頷きあうお母さんと私
11.しかし、固まったままの娘さん、その場所から動かず
12.緊迫した数秒が流れる

、、さて、お察しの通り、娘さんが現在いる位置は

私がジャンプをするにあたってのベストポジションである
だが、いかに無駄なジャンプを避け一発で決めたい私とはいえ、

風船を失い呆然とする初対面の娘さんに向かって

「ちょっと退いて」とはなかなか言えない
かといって今の私の位置からジャンプすると、

絶対変な感じの斜めジャンプになってしまうので、一発で取り損ねることとなり、

変な斜めジャンプを何度も繰り返すハメになってしまう
だからこそ、お母さんが娘さんを退かせてくれないと私は困るのだった

、、一体あのアイコンタクトは何だったのか?
もどかしい気持ちを抑え、立ち尽くすしかない私
このままでは単なる役立たずどころか、挙動不審の変な奴になり下がってしまう、、

ピンチだ、、解決策は、、

、、と、その時ようやく、ようやくお母さんが口を開いたのだった

「お兄さんに抱っこしてもらえば?」

、、だっこ?
いや、このまま変な奴になるよりは、だっこをしてでも取るべきなのか?
ジャンプは?
、、しかし、迷っている暇は無い
私は虚ろに「よし」と言い、娘さんの腰の辺りを掴み持ちあげた
一瞬で娘さんの手に返った風船
物語はあっさりと幕を閉じた、、

、、二人からの感謝の言葉を苦笑いとともに受けつつ、

逃げるように改札にPASMOを押し付けその場を離れた私

そうして新宿行きの準特急に飛び乗った私は、今回の敗因が、

ジャンプに拘り過ぎたことなのか、それとももっと根深いものなのか、

車窓を流れる景色に問うたのであった

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コメント: 3
  • #1

    こたけ (日曜日, 03 2月 2013 18:04)

    どこかで読んだことがあるような光景
    実際にあるんですねぇ~

    私も現場を目撃したかったです


  • #2

    wróżka (土曜日, 18 11月 2017 00:34)

    Kohelet

  • #3

    sex telefony (土曜日, 18 11月 2017 01:18)

    wschodnioeuropejski